先日、人生で初めて裁判の傍聴をしました。
私は最近、行政書士試験受験に向けて法律の勉強を始めたのですが、「そういえば裁判の傍聴をしたことがないな」と思ったことがきっかけです。
そこで、たまたま平日に仕事が休みの日があったので、東京地方裁判所に行ってきました。
私自身初めての裁判傍聴で何も分からず不安だったので、私と同じように初めて裁判を傍聴する方が知りたいであろう
・裁判はいつ行われているのか?
・裁判の種類と選び方
・持ち物や服装
といった内容と、裁判を傍聴した日の流れをレポートしたいと思います。
裁判の傍聴をしてみたいという方の参考になれば幸いです。
※傍聴した裁判の具体的な内容や被告人についてなど、プライバシーに関わるようなことは記載しません。
あくまで初めて裁判を傍聴する方向けです。
また、私は刑事事件のみを傍聴したため、刑事事件の裁判がベースの内容となります。
かなり長くなってしまったので、下記の目次から気になるところに飛んで読んでいただければと思います。
ちなみに私は、事前に↓のYoutubeを見て、裁判の傍聴について学んでから行きました。
Q&A
▼裁判はいつ行われているのか?
平日のみで、時間は午前10時頃から正午頃まで&午後1時頃から午後5時頃までです。
東京地方裁判所自体は午前8時から午後5時まで開いているようです。
私が行った日は、午前中は10時開始の裁判が多くありました。
そのため、なるべく10時前に行くことをおすすめします。
▼予約は必要?
予約は不要です。
ただし、人気の裁判の場合は、傍聴券を取得(抽選)する必要があるそうです。
(私は今回そのような裁判は傍聴しなかったので、詳しくは不明です)
▼持ち込みNGのもの
刃物等(はさみ,カッター又はかみそりなど)の危険物
鋭利な文房具(コンパス,ピンセットなど)
▼持って行くと良いもの
メモとペン:開廷表(その日にある裁判の種類や時間、場所をまとめた表)を見る際に、どの裁判を傍聴するかを決めるために、裁判の内容・時間・場所をメモしておくとスムーズ。
また、裁判中にメモを取ることは禁止されていないので、次回の裁判日時(裁判の最後に次回いつ裁判を行うかが決められる)をメモしておくと、今後(弁護人・検察官の主張や判決)が気になった裁判の傍聴ができるので良いと思います。
▼法廷でのマナー
・立ち見はNG
・携帯電話の電源は必ず切る
・法廷内に限らず,裁判所の中での写真撮影や録音は一切禁止
・おしゃべりや飲食はしない
・裁判官が入廷するときには「起立」の合図があるため、そのときは傍聴人も起立する
・長い傘は法廷内持ち込みNG(入口に備え付けの傘立てを利用)
▼服装について
服装は自由(落ち着いた服装が望ましいとされています)
ただし、法廷では帽子を脱ぐ必要があるそうです。
私が傍聴に行った際は、スーツを着ている方もいらっしゃいました。
▼開廷表はどこにある?見方は?
東京地方裁判所は、裁判所の建物内に入り、手荷物検査を抜けてすぐのところにタブレットがありました。
選択可能な項目(うろ覚え)
1.民事事件・刑事事件
2.時間帯
3.種類(新件・審理・判決)
→「裁判の日時・内容・場所・被告人氏名」が書かれている
※場所は、「500号法廷」といった表記で、番号で振り分けられていました
▼裁判の種類と所要時間
刑事事件と民事事件があります。
私は刑事事件のみを傍聴したので、刑事事件ベースで紹介します。
・新件:1回目の裁判
所要時間60分~90分程で予定されていることが多かったです。
ただ、私が傍聴した裁判はどれも予定時刻より早く終わりました。
・審理:裁判2回目以降の裁判
所要時間60分~90分程で予定されていることが多かったです。
私は今回審理の裁判は傍聴しなかったが、おそらく新件と同様に早めに終わると思います。
・判決:判決を言い渡す裁判
所要時間15分程で予定されていることが多かったです。
私は今回1回だけ判決の裁判を傍聴しましたが、そちらは10分かからず終わりました。
▼初めての場合、どの裁判を選ぶのがおすすめ?
私は刑事事件のみを傍聴したので、刑事事件ベースで紹介します。
・新件:◎
事件の内容がすべて説明されるので、何についての裁判かがわかりやすい。
※私が傍聴した新件の裁判で1つ、そのまま判決までいった裁判がありました。
・審理:△
2回目以降の裁判になるため、内容が把握しづらい上に、判決もわからない。
新件の裁判に参加していたら内容の理解ができるので有りだとは思う。
・判決:◯
被告に、どんな判決がくだされるのか、その理由まで説明される。
所要時間も短いので、1回見ておくのは有りだと思います。
(一番良いのは新件から判決までを追えることです)
ちなみに。。
被告人が外国人の場合、裁判には通訳人も参加し、検察官などが事件の内容などを述べている間、同時に通訳人が通訳をします。
私が一番始めに傍聴したのが外国人の方の裁判だったのですが、同時に2人が話すため、なかなか言葉が頭に入ってきませんでした。
そのため、あまり傍聴はおすすめできません。
▼待合室はあるのか?
法廷の近くに待合室がありました。
また、裁判所の建物内に入ってすぐのところ(1階)にも椅子がありました。
▼傍聴人入口って?いつ入室できる?
傍聴人入口と書かれた扉から入室できます。
入口の近くにある電子掲示板に開廷中と表示されたら入室可能です。
一応、傍聴人用と弁護人や検察官など関係者用で入口は分かれていましたが、誤って関係者用の扉から入退室をしてしまっても問題は無さそうでした。
ちなみに被告人と裁判官は、全く別の入口から法廷に入ってきていました。
▼傍聴席の座る場所に決まりはある?
どこに座ってもOKですが、一番前の端の席は関係者優先席となっていました。
一番前より後ろの席の方が埋まりやすかった印象です。
▼裁判の途中で入退室は可能?
いつでも入退室可能ですが、途中から入ると流れが把握できないので、なるべく開廷前に入出していた方が良いと思います。
▼食事をするところはある?
東京地方裁判所には、食堂、カフェ食堂、休憩スペース(イスとテーブルのみ)がありました。
※自販機やコンビニもありました
裁判傍聴レポート
▼場所
東京地方裁判所
〒100-8920 東京都千代田区霞が関1丁目1−4
▼最寄駅
・東京メトロ丸ノ内線、日比谷線、千代田線「霞ヶ関駅」A1出口から徒歩約1分
・東京メトロ有楽町線「桜田門駅」5番出口から徒歩約3分
・都営地下鉄三田線「内幸町駅」から徒歩約10分
・都営地下鉄三田線「日比谷駅」から徒歩約13分
▼タイムスケジュール
10:15 裁判所到着
10:15〜10:30 開廷表確認・移動
10:30~12:00 裁判①新件
〜昼食・休憩〜
13:15~13:30 裁判②判決
13:30~14:30 裁判③新件
14:30~15:00 裁判④新件
15:00~16:00 裁判⑤新件
16:00 裁判所退館
▼流れ、詳細
・裁判所に入る
裁判所の敷地内に入ったら、写真撮影はNG。
・手荷物検査
空港での手荷物検査と同じ要領で、ポケットの中身まで検査されます。
・開廷表を確認
東京地方裁判所は開廷表がタブレット(全部で8台ぐらい?)でした。
タブレットの前はテーブルになっており、メモを書くことが可能。
気になる裁判の「裁判の種類・罪の内容・時間・場所」を一通りメモして、どの裁判を傍聴するか、時間や内容を鑑みて決めました。
・法廷へ移動
エレベーターで法廷がある階へ。(1階やエレベーター横など、どこにどの法廷があるのか案内が書かれていました)
東京地方裁判所は、北と南で建物が分かれていました。
・法廷に入室
どこに座ってもOK。
一番前の端の席は関係者優先席となっていて、私が行ったときは、証言者の方が座っている裁判がありました。
・裁判傍聴
検察官、弁護人、裁判所書記、被告人、刑務官、(通訳人※被告人が外国人の場合)が、裁判が始まる前に入室していました。
裁判官(おそらく裁判官 兼 裁判長)が入ってきたら、全員起立&礼をして裁判が始まるという流れでした。
裁判の最後には、
①判決を言い渡す
または
②次の裁判で行う内容・日時を裁判官と弁護人・検察官で決める
ということをしていました。
・昼食
食堂があったので、カレーを食べました。(550円だった気がします)
食券(現金払いのみ)を買って、お盆を持って列に並び、お盆に食事を乗せてもらい、カトラリー、お茶(セルフ)を取って、好きな席に座るという感じでした。
・休憩
食堂の近くに休憩スペース(椅子とテーブル)があったので、そこで休憩を取りました。
コンビニや自販機もあって、コンビニには、法律に関係する書籍が多数販売されていました。
・5件の裁判を傍聴
5件中4件は新件で、1件は判決の裁判を傍聴しました。
①新件:窃盗
②判決:窃盗未遂・詐欺・窃盗
③新件:覚醒剤取締法違反
④新件:詐欺
⑤新件→判決:道路交通法違反
※⑤の裁判は新件でしたが、途中5分の休憩を挟んだ後、判決までされました
裁判を傍聴してみて
今回実際に裁判を傍聴してみて、実際の裁判所がどのように行われているのかを知ることができ、良い経験になりましたし、非常に考えさせられました。
「人がどんな状況で・どのような心情で・どんな罪を犯してしまうのか」本当に人それぞれで、いろいろな背景や事情があることがわかりました。
また、今までなんとなくしか分からなかった検察官と弁護人の役割を、実際に裁判を見ることで知ることができ、解像度が上がったのも良かったと思います。
「裁判の傍聴は悪趣味だ」などと言われたりもするようですが、私は経験として裁判の傍聴に行くのは良いことだと思います。(機会があればまた行きたいとも思っています)
ぜひ一度、裁判の傍聴に行ってみてください。
ここまで読んでいただきありがとうございました。
それではまた!